Dream&Smile
プロフィール

大衆演劇時代
22〜24歳

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帰国してすぐに一週間程で、山梨県は下部温泉の舞台に立っていた。
カツラをかぶり着物を着て、仁義を切ってのチャンバラ芝居。
ジャズダンスのせいなのか腰をやたらと動しながら、 演歌に合わせて日本舞踊を踊っていた。

その日から一ヶ月ごとの引っ越し生活で、 どさ廻りが始まっていったのでした。

初めのうちは覚えることが多くて、必死に夢中でやっていましたが、 やがて「こんなんじゃない、芝居作りとはこんなもんじゃない」と 思うようになり、確かに、ここにいれば生きてはいけるし、 衣食住には困らない。温泉にも浸かれるし、死ぬまで芝居も出来る。

しかしやがて、納得も満足も出来なくなっていって、 今後も出てくる私の性格から、 集団生活、団体行動に、拒否を示し始め、 自由な個人になりたいと思うようになり、 東京での休暇の際に、この世界で言う通称ドロン、 劇団から姿を消すことにした。

しかししかし、直ぐに全くの一文無しになり、 友人宅も追い出され、公園で寝るが、寒くて眠れず、 友人に後一日だけと頼み込んで、寝かせて貰ったりした。 朝早くから並ぶ日払いのバイトをし、親に敷金礼金だけを借りて、 なんとか四畳半、一万二千円の部屋から再出発をした。
無一文は恐怖だと、この時、強く感じた。

それから少し経って、居場所が座長に見つかったが、 キャバレーで踊ったりしながら、 徐々に大衆演劇の世界からは、離れていった。

そして次の時代への出会いを模索し始めた。
しかしこの時代に、体にこってりと染み着いた大衆演劇の癖は、 なかなか取れるものじゃなく、財産にもなり、笑われ話にもなっている^^。

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