Dream&Smile
プロフィール

ニューヨーク時代
21〜22歳

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牧場研修一年の約束が、十カ月で力尽き、牧場で貯めた500ドルと、運だけを持って、当てもなく、憧れの目的の街、ニューヨークに降り立ったのでした。

英語の話せない私は、日本レストランを電話帳で片っ端から調べたが、 なかなか見つからず、貯金の500ドルも尽きかけた頃、運良く雇って貰える所が見つかり、 ニューヨークでの生活が始まったのでありました。

とても自由であった。
芝居を観まくった。
ジャズ、モダン、バレエを、すべて基礎(BASIC)科で踊った。

胴長短足の男には、体にびっちりとへばりつく黒のレオタードは酷であった。
ダンスは、特にジャズダンスは、黒人白人欧米人のものだと打ちのめされた。
芝居がしたいエネルギーは、絵を描く事で発散していた。

しかし、一度芝居に取り憑かれた男は、我慢も限界になり、無謀にも小さな劇団のオーディションを受けたりした。
詩を朗読した後、「英語を勉強してきなさい」と言われただけだった。当然である。
今思えば、もっと頭を使って生きてれば良かったと思うばかりである。

そして十ヶ月が過ぎた頃、スクールメイツの学校の時の先輩より、一緒に劇団を盛り上げてくれないかとの誘いの手紙が届いた。
「直ぐに舞台に立てるぞ!」の言葉に、その劇団の事など何も判らないでいた男は、胸の高鳴りを押さえきれずに、今すぐにでも芝居がしたいという思いだけで、計画していた自転車でのアメリカ大陸横断計画も諦めて、直ぐに帰国した。

それが次の時代の大衆演劇である。
大衆演劇とは、どんなものなのかも全く知らないまま、渡米した時よりも、お金を2000ドルばかし増やしての帰国。
結局、出稼ぎの旅であった。

しかし、今だに記憶が鮮明で、男を支配している感じで、今に繋がる貴重な二つの時代であった。
牧場の時代とN.Yの時代は^^

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