友人の芝居に出たときの変な医者役 |
蜷川スタジオ時代の晩年には、
映画に出る、メジャーになる事に意識はいっていて、
あらゆる映画監督に手紙を書いたりしていた。
伊丹十三氏にも書いた。
しかしそっくりそのまま封筒が変わっただけで返ってきた。
棄ててくれと思ったが、それも礼儀なのかなとは後で思った。
後に遺作に少しだけ出ることが出来たのは嬉しかった。
その時、手紙の事を思い出したりして、
不思議な気持ちになりながらも、
その映画での役を多いに楽しんだ。
橋田寿賀子氏にも出した。
丁重に「私には権限がありません」という葉書が届いた。
そう言われるのは、当然である。
何処の馬の骨とも判らぬ者に役をくれるわけもない。
だがその頃の林海象氏は会ってくれた。嬉しかった。
ある映画に出してくれると約束もしてくれたが、
それを辛く長く待つ日々でもあった。
しかし別の映画で、無名な私に小さな役をくれた。
林海象氏は、次の時代での私の舞台を観てくれて、
役者であることを簡単に認めてくれた。世間とはそう言うモノである^^
バイトしかしていなくて、エネルギーばかり溜まるこの時代は、
やがて次の時代へと有り難く導かれて行った^^
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