1999/07/15 〈[23]裏話編:映画版「GTO」編・北海道撮影記〉
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7月の北海道はとても爽やかでした。木陰に入ると、楚々吹く風に、出番を待っている間なのに、
ついつい居眠りをしてしまいそうな心地よさでした。長閑な街の見知らぬ真直ぐな道を一人歩いていると、
その夏を独りだけで受け止めて、独り占めしている様な感じにもなり、なぜか寂しくて、切なくなりました。
さてさて映画版「GTO」の撮影なんですが、今の気持ちは折角撮った私の所が、
カットにならない事を心より祈るだけといった感じです。内容は観てのお楽しみという事にしておきますが、
私の役は地元の土木作業員でして、作業着姿がやけに似合ってました。初めの台本では、
有るきっかけを作るぐらいの感じだったのですが、監督の鈴木さんが私の芝居を増やしてくれて、
鈴木さんとは以前フジテレビの「こんな私に誰がした」の時にお世話になった監督さんでして、
久しぶりのご一緒だったんです。撮影は、ラストの方のシーンで、出演者総出演で、
賑やかに盛り上がっていきました。私の出番は初日から三日間は、ほとんど無く、
あっても広い絵の中で点の様な感じで、それでも出ている限りは何とか存在を主張しようと楽しんでいました。
そしてオールスターが皆撮り終えて、帰って行って、寂しくなった四日目、本来は予備日の日に、私だけの、
アナンデー、役名で西山デーとようやくなった日だったんですが、朝から雨で、三日間は晴れだったのにと、
現場にたどり着いてもまだ止む事はなかったのですが、愕然となる間もなく、覚悟を決める間もなく、
やがて嘘の様に青空になり、なんとかどうにか、面白可笑しく、だけど呆気なく13時前には、
私の日は終了してしまい、「ええのかいな、ほんまに」と思いつつも、カットになる事も覚悟しながら、
東京に帰る事もなく、することの無い芦別のホテルで、
夜のバーベキューパーティーをひたすらに待つだけであったのです。
役者はメインキャスト二人と学生役の子供達しかいなくて、「なぜ私がいるのか」と、
人見知りの極端な私は、居場所を探しながら、ジンギスカンを腹一杯食べて、気持ち悪くなったという、
映画版「GTO」出演記の巻でした。放映される正月がとても楽しみです。出ているのはほんの少しではあるのですが。
そして次は、明日15日からの京都です。正月12時間ドラマ「次郎長三国志」の撮影の為、
松竹京都に行って来ます。一回目の帰りは、恐らく23日だと思います。
今の所ノートパソコンを持っていない私にとっては、またそのときにでも、夏から秋にかけて、
11月初めまで、目一杯京都だと思います。それでは皆さんお元気で、また。
ささやかな夏の思い出は、いつの日かささやかにお話しいたします。
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